ナウシカの深層  【風の谷のナウシカ】

T.映画と原作

 徳間書店から発刊されたコミック版『風の谷のナウシカ』は、1982年(昭和57)に「アニメージュ」の2月号から始まった連載を収録したものです。完結を迎えたのは1994年(3月号)であり、12年間にもわたる長期連載物でした。
 しかし途中には何度か長期の休載期間(※)があったため、分量はワイド判(A4サイズ)で7冊分しかありません。
 映画版は第2巻までの内容を映画サイズ(116分)に再編集したものです。コミックの方ではそこからさらに5巻分の物語が続いて行きます。

 背景・時代設定は映画とコミックで全く同じ。キャラ設定も大まかには同じですが、中には全く性格の異なるキャラもいます。
 舞台設定は大きく異なります。映画は「巨神兵」を巡っての「トルメキア王国(クシャナ軍)vsペジテ市」という構図ですが、コミックでは「トルメキア王国vs土鬼(ドルク)諸侯国」という二大国が各地で激突するという形で進行します。
 その他にも、映画ではドロドロ・ボタボタしていただけだった巨神兵も、コミックでは非常に重要な役割を与えられています。

 映画でのナウシカが最終的に何をしたかとなると「身を挺して風の谷を救った」という事になりますが、コミックでは遥かにスケールのデカい事をやらかします。
※休載期間の変遷(カッコ内は休載期間中に監督を務めた作品)
  • 1983年7月〜84年7月(1984年3月11日『風の谷のナウシカ』『名探偵ホームズ1 青い紅玉の巻,海底の財宝の巻』)
  • 1985年6月〜86年11月(1986年8月2日『天空の城ラピュタ』)
  • 1987年7月〜90年3月(1988年4月16日『となりのトトロ』、1989年7月29日『魔女の宅急便』)
  • 1991年6月〜93年2月(1992年7月18日『紅の豚』)