追憶の聖夜  【B'z いつかのメリークリスマス】

V.FRIENDS STORY

 さて、FRIENDSに収録されている「いつかのメリークリスマス」を含む物語とはどのようなものだったのでしょうか。収録曲は以下の通りです。

Prologue Friends
 SCENE 1 いつかのメリークリスマス
 SCENE 2 僕の罪
   2-2 Love is…
 SCENE 3 恋じゃなくなる日
 SCENE 4 SEASONS
 SCENE 5 どうしても君を失いたくない
    6 いつかのメリークリスマス(Reprise)

 この内、太字が歌詞のある曲で、その他はインストゥルメンタルです。ここでは歌詞のある4曲を中心としてストーリーを追って行きます。

1.回想 〜 いつかのメリークリスマス

 真冬の波が押し寄せる年の瀬。人々も忙しなく動き始める師走の候。間もなくやって来る聖なる夜に向かって盛り上がる街の情景を眺める内に、僕は別れた彼女と過ごしたいつかのクリスマスを思い出す・・・。

 彼女の欲しがっていたプレゼントを購入して家路を急ぐ男。彼氏の帰りを待ちながら夕食の準備をする女。いつまでも、どこまでも共に歩み続けて行くことを信じて疑わなかった二人の日々。しかしそれらの輝いていた時間も、今では全てが色褪せた過去の出来事。

 しばしの間、思い出に浸っていた男のそばを、幸せそうな顔で通り過ぎて行く人々。その光景はまるで「あの日の僕」そのものだった。街は今年も多くの恋人達の姿で染められて行く。

2.再会 〜 僕の罪

 あの懐かしき日々を思い出して気持ちの昂った男は、思わず別れた彼女に連絡を取る。彼女を失った心の空白を埋められずにいた男は、まだ再会するのは早いと分かっていながらも「会いたい」と語りかける。

 そして再び出会う二人。彼女の外見は多少変化していたが、いつか見たあの笑顔は変わっていなかった。
 お互いの目指す夢がすれ違い、結局別々の道に進むことを選んだ二人。それでも今この瞬間だけは、まるであの頃からずっと付き合っているかの様な、そんな穏やかな時間が流れている。

 今度こそ彼女をしっかりつかまえておけと、男の内なる声が囁くものの、心のどこかに言い様のない微かな違和感を感じていた・・・。

3.葛藤 〜 恋じゃなくなる日

 恋人同士だったあの頃の様に逢瀬を重ねる二人。でも男はあの頃の様に、うまく言葉を紡ぐことが出来ない。孤独に疲れた姿を見せる彼女に対しても、上手に声をかけられない自分にもどかしさを感じていた。

 これ以上お互いに踏み込めば、また同じ過ちを繰り返すかも知れない。二人の心の中に生じた戸惑いが、気持ちにブレーキをかけてしまい、いつしか互いに一定の距離を取り始める。

 もう二度とお互いを失いたくないと感じる二人。でもまた「恋」という形を取れば、以前と同じ様にこの関係もいつか壊れてしまうかも知れない。お互いの目指していた夢が、実は同じものだったと気付いた時、また一緒に道を歩むために二人の採った選択は・・・。

4.解決 〜 どうしても君を失いたくない

 そして巡り来る寒い季節。二人が恋人ではなくなったあの時からはや3度目の冬。男は目まぐるしい日々の流れの中にその身を漂わせている。

 空から舞い降りる雪に重ねるのは、忘れ得ぬあの冬の日々。恋人だった冬、独りになった冬、そして再会した冬。
 改めてお互いの存在を尊いものだと再認識した二人。それでも縒りを戻すことも無く、またこの間まで様な赤の他人に戻ることもない。
 愛とは何? 恋とは何? いくつもの季節を越えて、迷い悩んだ果てに二人の選んだ結末は、友人(FRIENDS)となることだった。

 過ぎ去った追憶の日々に別れを告げて、全く新しい関係をスタートさせた二人。やがてまた新しい冬がやって来る・・・。