遥かなるアスガルド  【聖闘士星矢 黄金の指輪篇】

U.極限の世界

1.世界観

 物語の主舞台となるアスガルドは、聖域(サンクチュアリ)の遥か北方に位置している、日の光も当たらず豊かな緑も無い、雪と氷に閉ざされた過酷な地域です。
 北欧神話の主神オーディンを神と奉り、その地上代行者たるポラリス(北極星)のヒルダが毎日祈りを捧げる事で、アスガルドを初め とする凍土を覆う氷河や氷山の融解を防いでいます。

 ワルハラ宮殿にはそのヒルダを迎え、彼女を中心に民衆をまとめ上げています。基本的に争いごとを嫌い、極寒の気候に耐えながら穏やかに生活しているようです。

2.急転直下

 厳しい環境ながらも一応の平和を保っていたアスガルドですが、突如状況が変化します。ヒルダが何者かによって「ニーベルンゲン・リング(黄金の指輪)」をはめられてしまい、それを機に 彼女の人格が豹変します。
  優しい微笑を湛え、民衆から愛される地上代行者は姿を消し、地上支配を目論む非情な野心家へと変貌したヒルダ。神闘衣(ゴッドローブ)を7人の戦士に与え ると、彼らを伝説の神闘士(ゴッドウォーリアー)として従え、手始めに聖域に神闘士を送り込んで挑戦状を叩きつけます。
 一方で、ヒルダが代行者業務を放棄したため、徐々に氷山の融解が始まり、地上は水没の危機を迎えます。

 極北の異変を知った城戸沙織(アテナ)は、まだ十二宮での戦いを終えたばかりの星矢達を引き連れ、アスガルドへと乗り込みました。