もう一つのゲームセット　 【タッチ 背番号のないエース】

Ⅱ．世界観

１．背景設定

　ストーリーは、３人が「明青学園・高等部」入学直後の４月から始まります。そのため、原作のコミックでは１～３巻、アニメでは第10話頃までに相当する中学生時代のエピソードは、バッサリとカットされています。
　ケガをした和也の代役で達也が試合に出場、南の日記を達也が読んだ読まないのやりとり、運動会の混合リレー、達也と南の結婚式場のモデルの一件などの出来事は当然未収録。
　そして、南が和也に向かって言い放った「長生きしないよ、カッチャン･････」という、今後の展開をさりげなく示唆している不気味な予言もありません。

２．人物設定

　高校入学直後、達也が高等部の野球部に入部するかどうかで悩むシーンがあります。原作では達也の才能に閃きを感じた、一学年上の野球部マネージャーであり監督の娘の「西尾佐知子」が入部を熱烈にプッシュします。
　ところが映画版では当該女性は「児島悠子」と姓名を変え、なおかつ女教師として登場します。そのため、当然ながらキャプテン黒木とのロマンスは全くありません。

　他にここまで大きなキャラの変更は見当たりません。しかし時間(93分)の都合からか、原作以上に達也・和也・南の３人のみに焦点を絞った構成であるため、他のサブキャラ、特に野球部員は背景に等しい存在となっています。