スーパーストライカーへの道  【キャプテン翼 ワールドユース編】

T.ゲームと原作

 1981年から連載がスタートし、社会現象を巻き起こしたモンスター作品『キャプテン翼』。その正統な後継作として『ワールドユース編』が登場したわけですが、それに先立つこと4年前の1990年7月にテクモから『キャプテン翼U スーパーストライカー』が発売されました。
 ゲームシステムは前作『キャプテン翼 栄光へのスーパーシュート』を踏襲しており、サッカーゲームとしては異例のSLG。システム面の完成度は非常に高く、見せ所での演出もファミコンというハードの制限内で最大限の努力をしており、特にスピード感は後にスーファミで発売される続編に勝るとも劣りません。

 注目のストーリーはテクモのオリジナルですが、大まかな流れは後発のコミック版「ワールドユース編」とほぼ同じです。しかし細部では全く異なっており、やはり両者は別物と捉えた方が良いでしょう。
 コミック版ではアジア予選でもページ数をしっかり割きましたが、肝心の終盤が駆け足の展開となり、消化不良気味で終わってしまいました。さらに大量の新キャラが登場した反面、彼らを引き立てるために過去のライバル達の扱いがぞんざいになっています。
 一方ゲームでも新キャラは数多く登場しますが、過去のライバル達も強敵として現れます。その反面、全日本に新キャラは一切登場しません。また代表戦だけではなくクラブチームでの戦いも重視しており、クラブでのチームメイトが、代表戦ではアルゼンチンブラジルのメンバーとして翼の前に立ち塞がるのも特徴の一つです。